さらっとiOS14のアップデートが行われましたね!
アプリマーケティング界隈ではこのアップデートはかなり恐ろしいものとされていましたよね。。。
なんてこともあるかと思いますので、アプリマーケティングにおいてどんな影響があるのかを解説していきます!
目次
iOS14のターゲティング広告の影響度合いってどうなの!?今後の対応策について
Apple社は2020年6月23日のWorld Developers Conference2020(以下WWDC20)において2020年秋頃にリリースするiOS14のプライバシーポリシーについて大きな変更をすると発表。対象はApp Storeでリリースされているすべてのアプリです。
iOS14では広告識別子IDFA(Identifier for Advertisers)の使用に制限をかける、つまりターゲティング型広告(追跡型広告)を含む広告配信を行うことが難しくなることが予想されるアップデートを行うと発表したのです。
アプリマーケティングに関わる人はかなり衝撃!!!
復帰施策であるアプリリエンゲージメント配信はどうなる!?
広告識別子のIDFAが取得できないとなるとマッチング率が下がるので収益が下がるのでは!?
と思ったたくさんのマーケターがいるかと思います。
もう少しこのアップデートがどんなものなのか解説していきます。
iOS14では広告識別子IDFAをオプトイン化
iOS14では広告識別子IDFAの使用がオプトイン化になります。
オプトインとオプトアウト
オプトインは「参加」「加入」という意味で、オプトアウトはその逆の「不参加」「脱退」の意味になります。Cookieを例に説明するとオプトインするということは「Cookieの利用を許可する」ということになり、オプトアウトは「Cookieの利用を停止する」ということになります。
この記事の場合は、CookieではなくIDFAとなります。
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ファーストパーティCookieとサードパーティCookieの違い!実務レベルまで落とし込む
今後はアプリが導入しているサードパーティ(SDK)が広告識別子IDFAを使って広告配信や配信効果測定を行う際に、アプリ内でユーザーに対して同意を求める必要があります。これに同意しなかったユーザーのIDFAは取得できなくなるのです。
▼オプトイン方式▼
みなさんがユーザーだったらどうします?
「あなたのIDFAを使いますけど大丈夫ですか?」
なんて聞かれたらNo!と答えますよね?w
同意を得られずIDFAが取得できないとかなり広告配信に影響がでてきます。
また、この同意を求める仕様にするにはiOS14SDK:AppTrackingTransparency frameworkが必要になります。
これはアプリがどのようなデータを収集して、どのように使用するのかをユーザーに提示するためのプログラムが組み込まれてます。
IDFAを取得したい場合は、このプログラムをアプリに組み込まなければならないため再ビルドする必要があるのです。
この作業は多くのアプリで導入されているかと思いますが、アップデートできていないところはすぐにビルドすべきです。
ではこのことがどの方面にどのような影響をもたらすのか。
影響①:広告出稿額の減少
精度の高い広告配信をするために用いられているのが広告識別子IDFAになる。
アプリ事業者(=メディア側)は「自社のアプリにどのIDFAのユーザーが来訪している」「自社のゲームアプリをプレイしている」ことが判定できるため、このことを広告媒体社に「このIDFAの人が今来てるよ〜!」とアピールすることができます。
それに対して広告媒体社(=広告ベンダー)は「よっしゃ!」と言わんばかりに狙いを定めて精度の高い広告を出すことを実現しているのです。
しかし、それができなくなることを想像してみてください。
IDFAをアプリ事業者(=メディア側)が取得できない場合、「自社のアプリにどのIDFAのユーザーが来訪している」「自社のゲームアプリをプレイしている」のかがわからないことになります。
つまり、広告媒体社(=広告ベンダー)は狙いを定めることができなくなってしまうのです。
結果、IDFAを許可したユーザーにだけ広告配信を行うことになり、広告出稿額は確実に減少への道へと進むのです。
影響②:アプリ事業者(=メディア)の収益化減少
現状はメディアがIDFAを取得できているため、広告配信のコンバージョン計測は計測SDKが取得したIDFAとのマッチングによりコンバージョン判別ができています。これはデバイスIDマッチングという方式です。
iOS14のアップデートによりIDFAが使用できないことで出稿が減るというのは先ほど説明したことに加えて、コンバージョン計測ができなくなってしまうから出稿がうまくできなくなってしまうということも出稿額減少の理由です。
AppleはSKAdNetworkというフレームワークを提供し、アドネットワーク業者はどの端末なのかわからない匿名のコンバージョンとキャンペーンIDと配信面の3つを確認することを可能にするといっています。
▼SKAdNetwork▼
配信面アプリの情報はAppleの判断で送らないこともあるなどの課題もあるそうで、各社広告業者が対応に苦しんでいます。
メディアは一人でも多くのユーザーがIDFAを取得することを許可させるためiOS14で新しく追加されたAppTrackingTransparencyフレームワークを使ってユーザに情報取得の許可を求めるダイアログを表示するようにしなければならない。
計測SDKベンダー社の対応
各計測SDKベンダー社の対応はどのようになっているのかみていきます。
adjust
SKAdNetworkに依存しないアトリビューションハッシュ (Attribution Hash)という機能を発表しました。
アプリ
AdjustではSKAdNetworkに依存しない「アトリビューションハッシュ (Attribution Hash)」を発表しています。これは広告主側のアプリに導入されたSDKでIDFAやアプリIDを匿名化し広告面側アプリから送信されたすべてのIDFAデータを突き合わせてコンバージョン計測を行います。
Appsflyer
特定の識別子がなくとも、アトリビューションソリューションを提供する準備をしているそうです。
Singular
SKAdNetworkの情報をネットワークから取得し他のデータと統合するらしい。
ということで各社指針を示しているが、この先もアップデートはあるでしょう。
まとめ
iOS14のアップデートによるIDFAの使用が制限されることは直近の報道で2021年初頭に延期になっています。
少し猶予ができたので各社対策をしていく過程です。
これからも各社のアップデートがあるかと思うのでモニタリングし、記事を更新していこうと思います!